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    金属・半導体・絶縁体


 一般的な金属は低温になるにつれて、電気抵抗が小さくなっていきます。

電気抵抗が小さくなるのは、電子の流れを邪魔している格子(原子の

周期的な並び)の乱雑な振動が抑えられてくるからです。そして、絶対

零度に近づくと一定の抵抗値に落ち着きます。

 半導体では低温になるにつれて、電気抵抗が大きくなっていきます。

半導体でも原子の乱雑な振動によって、抵抗値が小さくなっていくことが

ありますが、限られた温度域だけです。

 半導体において低温になるにつれて電気抵抗が大きくなる理由は、電子

が格子を伝わっていく時にその流れを「壁」が邪魔をしているからです。

温度が高いときには電子たちは簡単にこの壁を越えていきますが、温度が

低くなるとこの壁を越えることが難しくなり、抵抗が大きくなっていきます。

 絶縁体は半導体と同様に「壁」があります。半導体と違うところは、

この壁が非常に大きいことです。

 電流が流れるか流れないかだけで判断した場合、半導体は金属の仲間

のように見えますが、電子の流れの邪魔をする「壁」の有無で判断した

場合、半導体はむしろ絶縁体の仲間となります。





  抵抗(金属・半導体・絶縁体)の温度変化




     


Motoyama lab., Shimane Univ.