![]() 国際会議, "Scalars 2011", University of Warsaw, 26〜29 Aug, 2011にて |
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波場 直之 |
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教授 |
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haba_@_riko.shimane-u.ac.jp (Please replace "_@_" with "@") |
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ノーベル物理学賞! |
素粒子の標準模型(Standard Model)は、O(100) GeV 以下のほぼ
全ての高エネルギー物理現象を無矛盾に記述する非常に成功した模型です。しかしながら、 (a): 『質量の起源は何か?』、 (b): 『電弱相転移がどのようにして起きたのか?』 は依然として謎のままであり、Higgs 場の起源と密接に関係していると思われます。 また、 (c): 『何故、クォーク・レプトンには、量子数が同じで質量だけが異なる3回のコピーの繰り返し (世代) が存在するのか?』 は、世代の謎と呼ばれ、今のところ何の手がかりもなく、 クォーク・レプトンの世代構造の起源の解明が切望されています。 他にも、 (d): 『何故、ニュートリノの質量は、他のクォーク・レプトンに比べて遥かに小さいのか?』 (e): 『何故、陽子と電子の電荷の絶対値が21桁以上の精度で等しいのか?』 (f): 『パリティの破れの起源は何か?』 (g): 『何故、我々の時空は4次元なのか?』 等、様々な未解決の謎があります。これら(a)−(g)の謎は、Standard Modelの背後に、 より根本的な物理 (Beyond the Standard Model(BSM)) が存在することを示唆するとともに、BSM を探る重要なカギでもあります。私は、これまで、主に、「超対称性理論 (SUSY)」、「余剰次元理論」、「大統一理論 (GUT)」、「新しく開発した模型」を用いて、BSM の探求をおこなってきました。しかし、もしかすると、BSM は、全く未知の理論かもしれないし、上記の複数の謎は想像を超えた形で関係しあっているのかもしれません。そうした可能性も常に念頭に置き、新しい理論の定式化や新しい実験の提案等も含めて、多角的で革新的なアプローチで、上記 (a)−(g) の解明に挑戦しています。 |